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はじめに:息子の大学入学で奨学金を考え始めた
2026年の春、息子が大学に入学しました。
入学初年度は10年以上積み立てた学資保険で対応できましたが、問題は2〜4年次です。妻のパート収入でなんとか対応する予定ではあるものの、「奨学金も選択肢に入れておくべきか」と調べ始めました。
私はFP3級を勉強中の52歳のIT系会社員です。お金の勉強はそれなりにしてきたつもりでしたが、奨学金の金利については恥ずかしながらほとんど理解していませんでした。
そんな私が、ある動画配信をきっかけに「奨学金の利息の怖さ」に気づいた話を書きます。
両学長のLIVE配信で知った衝撃の事実
きっかけは、リベラルアーツ大学・両学長のLIVE配信でした。奨学金の話題が出たとき、こんな内容が語られていました。
「奨学金の金利、最近上がってきてるの知ってる?しかも入学時の金利じゃなくて、卒業時に金利が決まるんだよね」
正直、目が覚めました。
「え、入学時じゃないの?」というのが私の最初の反応でした。奨学金を申し込むのは大学入学前後。当然「その時点の金利が適用される」と思い込んでいたのです。でもそれは間違いでした。
📌 ここが重要
JASSOの第二種奨学金(有利子)は、奨学金の貸与が終わった時点(卒業時)の利率が適用されます。入学時に「今の金利で固定」とはなりません。
「入学時の金利」はほぼ意味がない
JASSOの公式サイト(奨学金の利率ページ)によると、第二種奨学金の利率の決まり方は以下の通りです。
- 利率は貸与終了時(卒業・修了等)に決定される
- 「利率固定方式」と「利率見直し方式」の2種類から選べる
- 利率固定方式:貸与終了時に決まった利率が返還終了まで固定
- 利率見直し方式:5年ごとに利率が見直される変動型
つまり、2026年に入学して2030年に卒業した場合、2030年時点の市中金利を反映した利率が適用されます。その間に金利が上がっていれば、当然利率も上がります。
「今は金利が低いから大丈夫」という判断は、4年後の金利水準を予測していることと同じです。これが、私が最初に感じた「衝撃」でした。
2020年→2026年の利率の変化
実際に利率はどう変化しているのでしょうか。公式情報に基づくと、以下のような推移になっています。
| 時期 | 変動型(利率見直し方式) | 固定型(利率固定方式) |
|---|---|---|
| 2020年頃 | ほぼ0%台 | ほぼ0%台 |
| 2026年3月時点 | 約1%前後 | 約2.5%前後 |
| 上限(法定) | 3% | 3% |
※上記はJASSOの公式情報をもとにした目安です。実際の利率は貸与終了時期により異なります。
ゼロ金利・マイナス金利の時代が長く続いたため、2020年前後に貸与が終了した方は非常に低い利率で借りられました。しかし日本銀行の金融政策の転換により、利率は上昇傾向にあります。
これから大学に入学する子どもが4年後に卒業するとき、利率がどうなっているかは誰にもわかりません。
奨学金の利息は本当に安いのか?具体的に計算してみた
「消費者金融(年15〜20%)よりはるかに低いから安心」という話はよく聞きます。確かにその通りです。でも「低金利 = 負担が軽い」は必ずしも正しくありません。
奨学金の特徴は、借入額が大きく・返済期間が長いことです。
月5万円を4年間借りると元本は240万円。これを15年(180回)で返済するケースで試算してみます。
| 年利 | 月返済額(目安) | 返還総額(目安) | 利息総額(目安) |
|---|---|---|---|
| 0.5% | 約13,870円 | 約249.7万円 | 約9.7万円 |
| 1.0%(現在の変動型目安) | 約14,360円 | 約259.7万円 | 約19.7万円 |
| 2.0% | 約15,430円 | 約280.3万円 | 約40.3万円 |
| 3.0%(上限) | 約16,560円 | 約301.8万円 | 約61.8万円 |
※元本240万円・返済期間15年の概算です。実際の返済額はJASSOの返還シミュレーターでご確認ください。
📌 計算のポイント
上限の3%になると、利息だけで約61.8万円。元本240万円に対して25%以上を余分に払うことになります。月5万円×4年という「標準的な借り方」でこの数字です。もっと多く借りれば利息もさらに膨らみます。
消費者金融のような15〜20%ではないにしても、「長期間にわたって大きな元本に利息がつき続ける」という事実は変わりません。これが奨学金の利息の本質的な怖さだと感じました。
パパ友との飲み会エピソード
この話を知った翌週、子どもの同級生のパパ友と飲む機会がありました。実はそのパパ友、FP2級持ちのベテランです。私より詳しいはずだと思って得意げに話したのですが…
「あー、そうなんだ」
反応が薄かった(笑)。
聞くと「うちは奨学金使う予定ないし」とのこと。確かに、自分が利用しない制度の細かい話はなかなか刺さりません。FP2級持ちでも知識と行動は別の話ですね。
ただ、このやり取りで改めて思ったのは、「奨学金は利率が低いから安心」という空気感が世の中に広がっているということです。実態をきちんと理解した上で選択している家庭がどれだけあるか、少し心配になりました。
奨学金を借りる前に考えたいこと
私が調べた結果として、奨学金を検討するなら以下の点を確認しておくことをおすすめします。
-
卒業後の収入見込みを現実的に試算する
月の返済額は卒業後の手取り収入に対していくら占めるか。就職先・職種によって大きく変わります。 -
借りる額をできるだけ抑える
必要な分だけ借りる。月額を抑えれば元本が減り、利息も抑えられます。 -
利率固定方式か見直し方式か、メリット・デメリットを比較する
固定方式は貸与終了時の利率で固定。見直し方式は5年ごとに変動。金利上昇局面では固定の方が安心ですが、固定方式の利率はやや高めに設定されています。 -
給付型奨学金や授業料減免制度を先に確認する
世帯収入や学力に応じて、返済不要の給付型奨学金を受けられる場合があります。JASSOの公式サイトで確認を。
まとめ:奨学金は「安い借金」ではなく「長い借金」
今回の調査を経て、私が出した結論は「息子には奨学金を借りさせない」でした。
理由はシンプルです。子どもに社会人スタート時点から数百万円の負債を背負わせたくない。それだけです。幸い、妻の収入と生活費の見直しで2〜4年次も対応できる見通しが立ちました。
ただ、これは私の家庭の状況での判断であって、奨学金が「悪いもの」だと言いたいわけではありません。進学の選択肢を広げる大切な制度です。
ただ、利用するなら「いくら借りて、いつ、いくら返すのか」を入学前に明確にしておくことが大事だと感じました。
この記事のまとめ
- JASSOの第二種奨学金の利率は卒業時に決まる(入学時ではない)
- 2020年のほぼ0%台から、2026年は変動約1%・固定約2.5%に上昇
- 月5万円×4年・15年返済で、年利3%なら利息は約61.8万円
- 金利が低くても、大きい元本×長い返済期間で利息は積み上がる
- 利用するなら返済総額を具体的に試算してから決める
まず保険証券を引っ張り出すのと同じように、奨学金の申込前にはJASSOの返還シミュレーターで数字を確認してみてください。